顎関節症の治療について日本国内では殆どがマウスピースを用いたスプリント療法が行われていますが、当院では顎関節症治療の弊害のページでも説明させていただいたように、スプリント療法は副作用のリスクが高い割に効果が少ないため、当院では急性症状を緊急避難的に抑えるためにごく短期間の間にごく稀にスプリント療法を行うことはありますが、基本的にはこのスプリント療法は行っておりません。
顎関節症とは、のページで顎関節症の原因は下顎が後ろに下がりすぎてしまったため生じます、その下顎が後ろに下がってしまう原因は下顎を後ろに引かなければ噛み合わない噛み合わせが原因、だと説明いたしました。
そこで当院では異なる治療目標を設定して実際の治療に当たっています。
ここからそれぞれについて説明いたします。(マウスピース療法については別ページで説明します)
対処療法では顎関節症の根本的な原因である噛み合わせの改善は行いません。
そのため費用や治療期間はさほどかからない利点がありますが、原因そのものを解決しないためこの先ずっと人生の中で顎関節症とお付き合いしていただく必要があります。
実際に当院で行っている対処療法は以下のものがあげられます。
これらの治療法をそれぞれの顎関節症の症状に合わせて提供しております。
これらは歯科医院で顎関節の管理でご通院いただきながら続けていくものです。
ただ、症状によってはこの対処療法だけで顎関節症の症状が十分改善しない場合があります。
根本療法は顎関節症の根本的な原因である噛み合わせそのものの治療を行います。
対処療法と比較して治療費や治療期間がかかりますが、対処療法では十分な改善が得られないケースでもこちらで改善できることがあり、治療後の安定性にも根本療法にアドバンテージがあります。
具体的な根本療法は以下のものがあげられます。
今からこの二つについて説明していきます。
補綴治療とは一般的に歯を失ったり欠けてしまったところを人工物で補う方法ですが、このように失った噛み合わせを補うために行うこともあります。
保存できる歯がある場合は図のように歯を削って被せ物で噛み合わせを回復することが一般的です。
既に歯が無い場合は入れ歯やインプラントによって噛み合わせを回復していきます。
矯正治療と比較して治療期間が短い利点がありますが、被せ物をするために歯を削らないといけない欠点もあります。
矯正治療はよく審美的な改善を目的によく行われていますが、顎関節症を改善する目的で行うこともあります。
ただし矯正治療を行うことによって顎関節症を改善するどころかかえって悪化させてしまうこともあるので注意が必要です。
矯正治療のメリットとしてはあまり歯を傷つけずに済みますし、審美的な改善も得られます。
欠点としては治療期間がどうしても長くかかってしまうことと、矯正で完成させた歯並び・噛み合わせの後戻りの対応が必要になることです。
*顎関節症治療に於いて当院では健康保険による治療は行っておりません。