顎顔面口腔育成治療~バイオブロック編

近年、急速に普及してきた床矯正。

特別な技術が無くとも治療できることで、多くの歯科医院で行われるようになってきました。

一方、床矯正のみで対応できるケースの多くは、小学校低学年程度までの年齢で、軽度のスペース不足で、骨格的に問題の無いケースに限られてしまいます。

しかしこのように限界の多い床矯正であるにも関わらず、無理に床矯正を進めてしまい結局きれいに並ばないどころか咬合異状・審美障害・顎関節症などを引き起こしてしまうケースも見受けます。

 

丸々歯1本分ほどスペースが不足しているようなケースにおいて、通常の床矯正のみで矯正を完結させられることはほぼ不可能です。

当院では今まで重度のスペース不足に関しては、リンガルアーチと呼ばれるバンド矯正や全ての歯にワイヤーをかけるマルチブラケット矯正が永久歯が揃ってからも必要になり、矯正終了後も長年後戻りを防ぐためにリテーナーと呼ばれる器具を装着することになります。

一般的な床矯正装置
一般的な床矯正装置
リンガルアーチ
リンガルアーチ
マルチブラケット装置
マルチブラケット装置

回転とひずみ
回転とひずみ

しかしそもそもスペース不足の多くは歯を支えている顎の骨全体が小さいのではなく、顎の骨に回転とひずみが生じた結果、歯を支えるスペースが足りなくなります。

床矯正後戻り理論

通常の床矯正ではこのひずみが残った状態でただ顎を広げるだけなので、どうしても後戻りしようとする強い力がかかってしまいます。

一方、バイオブロックなどの顎顔面口腔育成治療では下方向に発育しようとする顎・顔面の骨を、正常な方向に発育の方向を変えてることで、結果として自然に歯が並ぶスペースが得られる方法で、見た目は良く似ていますが治療コンセプトや治療結果は全く異なります。

 

さらに顎顔面口腔育成治療を行うことによって歯並び・咬み合わせ以外に改善する可能性のある症状は以下のようなものがあります。

 

  • アレルギー性鼻炎
  • アデノイド
  • アトピー性皮膚炎
  • いびき・無呼吸
  • 不良姿勢
  • 顎関節症
  • 構音障害

 

 

このように顎顔面口腔育成治療は結果的に歯並びを治す方法であって、それよりも重要な“異常な呼吸の改善”や“理想的な気道の育成を”を重視した治療コンセプトです。

 

代表的な臨床例

MHE
MHE
  1. 上下とも歯2本分程度のかなり重度のスペース不足を認めます。

  2.  MHEでなるべく奥歯を移動させないようにしながら、上の前歯を支えている顎を広げます。
  1. 上顎を広げるため上のバイオブロックステージⅠを装着します。通常は取り外し式1つを用いますが、重度にスペース不足を生じている場合は固定式と取り外し式の両方を用いることもあります。
上顎ステージⅠ固定式と取り外し式
下顎ステージⅠ
下顎ステージⅠ
  1. 下顎を広げるため下のバイオブロックステージⅠを装着します。上の装置と違いスクリューを用いずワイヤーの弾力で徐々に広げるため、調整回数が多くかかります。

 

HAA
HAA
  1. ステージⅠによる上顎の前方拡大が不十分な場合、前方拡大に特化した装置を通常は固定式で使います。
上顎ステージⅡ
上顎ステージⅡ
  1. 上顎が十分に広げられたらそのスペースを保つとともに、下方にずり落ちた上顎の成長方向を上方に振り上げるため、舌の邪魔にならないコンパクトな装置に取り替えます。
ステージⅢ
ステージⅢ
  1. 上顎の成長方向が十分上方に振り上がり下顎が十分に拡大できたら、下顎の成長方向を上方に振り上げ、咬み合わせの平面を回転させるために上下一体型の装置に取り替えます。

顎顔面口腔育成治療が適している方

  1. 歯並び・咬み合わせが異常なだけでなく、アレルギーや呼吸などの問題を抱えている方
  2. 通常の床矯正による拡大では太刀打ちできないほどの中程度のスペース不足の方
  3. バイオブロックで60万円程度の検査や装置にかかる基本的な費用をご負担いただける方(再診療や修理代は除きます)
  4. 必ず2週間に1回は通院できる方
  5. 第二乳臼歯を固定源として酷使するので、その交換まで時間がある7才程度までで、神経の処置をしていない場合。
  6. 骨格的に大きな問題が無い場合。

 

顎顔面口腔育成治療が向いていない方

  1. 安い費用でとりあえず歯だけ並べばいいとお考えの方
  2. 2週間に1回の通院ができない方
  3. 装置の使用状況や適合状態を保護者が毎日チェックできる家庭環境に無い方
  4. 固定源で第二乳臼歯を酷使するには耐えらない8才以上、もしくは第二乳臼歯の神経が既に治療済みの場合。
  5. 反対咬合(受け口)、もしくは中程度以上の上顎前突(出っ歯)や叢生(乱くい歯)の場合。


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