正しいこどものむし歯予防
正しいこどものむし歯予防

小児の虫歯予防

正しいこどもの虫歯予防
正しいこどもの虫歯予防

大事なお子様の将来を考えると、将来にわたってむし歯になりにくい生活習慣をお子様に身に着けてもらうことが、最も重要なことです。

 

しかしこのむし歯になりにくい生活習慣について、ほぼ100%の方が間違った認識をされており、その結果、ご両親や学校保健教育から正しいむし歯予防の取り組みがなされず大事なお子様の歯がむし歯で犯され、そのために生涯にわたってむし歯のリスクをお子様に背負わすことになります。

 

では、その間違った認識とは何でしょう?それは歯みがきです。 みなさま、「歯みがきをきちんとしてさえいればむし歯から歯を守れる」とお考えの方がほとんどではないでしょうか?

でもよく考えてください。多くの方々はすでに歯みがきをきちんとされているのではないですか?そのわりに結果が伴っていないのではないのでしょうか?

虫歯のリスクとは

なぜなら、むし歯のリスクは「宿主(歯・唾液)」・「食物」・「細菌」とこのリスクにさらされる「時間」によって総合的に左右されるからです。

虫歯のリスクは時間によって左右されます
虫歯のリスクは時間によって左右されます

よって、歯みがきだけ頑張ってもむし歯を予防できないことは客観的データの結果、既に明らかなことです。このデータについては予防歯科1のページをご参照ください。

 

ただし歯みがきがむし歯予防で大切な要素の一つであることは間違いありません。 この重要な要素の歯みがきを効果あるものにするには、我流のやり方ではうまくいきません。また集団的に行われる歯みがき教室も個人のリスクを評価していないため、きめの細かいアドバイスは行えません。よって、専門家による個別のアドバイスがどうしても必要になります。

むし歯菌による感染症

まず、こどものむし歯予防を適切に行うにはむし歯菌による感染症だとの認識が必要です。特にこどもの口腔内での細菌の大まかな分布の定着は2歳7ヶ月前後で成立します。

ミュータンス菌感染の窓は1歳半から3歳になるまで
ミュータンス菌感染の窓は1歳半から3歳になるまで

まず、ご家族が虫歯の治療を受ける事が大切!

そのために、むし歯菌に感染する恐れの高いご家族が、まず歯医者さんでむし歯の治療と予防処置をお受けにならないと、いくらこどもの歯みがきを頑張ったところでむし歯菌を移してしまい本末転倒になります。

 

そのため、こどもの歯を守るためはまずお父さん・お母さんから歯医者さんに通ってむし歯を治し、予防処置を受けていただくことが大切です。

 

それと、ご両親が自分のお口の中がむし歯だらけなのでこどもに移さないようにと、スキンシップを控えられるケースも多く見られます。

 

しかし、スキンシップによってむし歯菌などの有害な菌も移りますが、口腔内を健康に保つ善玉の菌もこのスキンシップによって移ることができます。

こどものむし歯保有率
こどものむし歯保有率
口腔内最近の家族間感染
口腔内最近の家族間感染

そのため、とにかくご両親は歯をしっかり治して、思う存分スキンシップをとってあげてください。

 

さらに、お父さん・お母さんが「自分がむし歯になっていないからこどもも同じ生活習慣で大丈夫」と思っていたら大間違いです。

 

こどもの歯は大人の歯と比較して酸に溶けやすいばかりか、歯をまもるエナメル質の厚みが薄く、非常にむし歯に弱い構造です。

 

また、むし歯菌によって生じた歯を溶かす酸を中和する唾液の作用も大人と比べて子供の唾液は弱く、歯の構造と相まって非常にむし歯になりやすいです。

大人の食後PHの変動
大人の食後PHの変動
こどもの食後PHの変動
こどもの食後PHの変動

歯科医院に定期受診しない日本の虫歯予防は世界の非常識

また効率的にむし歯予防に取り組むには、予防先進国である欧米の取り組みを参考にするのが最も簡単です。 そこで北欧と日本と比較してほとんど変わらないものが、歯みがきの習慣と甘いものを食べる食生活です。 その一方圧倒的に違うのが、予防処置を受けに歯科医院に定期的に行く習慣と歯にフッ素を作用させる頻度の違いです。

歯科医院に予防で通う人が日本ではたった2%である一方、スウェーデンではほとんどの人が予防で歯科医院に通っています。

フッ素の利用

その一方、特にアメリカなどで盛んなのがフッ素を用いたむし歯予防で、あらゆる場面でフッ素に触れる機会を多く持っています。しかし、このフッ素は正しい使い方をしないと十分な効果も得られませんし、場合によっては人体に悪影響が出ることもあります。

セルフケア用フッ化物
セルフケア用フッ化物

そのため、歯科医師・歯科衛生士といった専門家の管理下でフッ素を有効に使っていただきたいのです。

京都市在住の方にとって、フッ素と言えば2~3歳児に無料でフッ素塗布が受けられる受診券が母子手帳についてあり、「タダでフッ素を塗ってもらえるんだ」くらいの認識しかなく、せっかく歯科医院を訪れたにも関わらずこれだけで済ましてしまっている方が多いのではないでしょうか?

フッ素の効果は積み重ねから...

しかしこのたった1回のフッ素塗布でこどものむし歯予防ができるとは到底考えられません。

フッ素の効果は前述の通り積み重ねによって増強します。よって他に様々なフッ素利用とあわせてこの京都市のフッ素塗布を行うと、1つの積み重ねによってとても意義のある内容になります。

大事なお子様の歯を守ってあげるなら、無料のサービスだけに頼らずにほんのわずかな投資をしてあげてください。
具体的なフッ素応用法については予防歯科5のページをご参照ください。

こびりついたミュータンス菌は歯科医院でしかとれません!

バイオフィルム
バイオフィルム

ではむし歯むし歯菌による感染症なら、「歯みがきでむし歯菌が掃除できるのではないか?」と解釈される方も多いです。 このむし歯菌はミュータンス菌という細菌です。

このミュータンス菌は糖分を分解して不溶性グルカンというほとんど水に溶けない強力なネバネバ物質をつくる他の細菌には見られない特殊な酵素を持っています。 そのためこのミュータンス菌は歯面に付着してから時間が経つと、このネバネバ物質によって強力に歯面にこびりついてしまい、歯ブラシ程度では除去できなくなります。

このこびりついたミュータンス菌を除去するには、歯科医院で専用の器具を用いて歯科医師・歯科衛生士が丁寧に取っていく以外に方法がありません。

そのため、定期的に歯科医院で歯面清掃を受けていただくこともむし歯予防にとっては重要な要素になります。予防処置の詳細については予防歯科3のページをご参照ください。

大切な規則正しい生活のリズム

それから規則正しい食生活も重要になります。おやつの回数が多かったり、食事内容のわりに唾液の作用が弱かったり、寝る直前に食事を取ってしまうと、長い時間口腔内が酸性の状態に傾いてしまうため、歯が溶けてむし歯になりやすくなります。

規則正しい食事
規則正しい食事
唾液緩衝能(中和作用)が弱い
唾液緩衝能(中和作用)が弱い
だらだら頻繁に食事
だらだら頻繁に食事

シーラント

シーラント
シーラント

さらにこどもの歯は咬む面に存在している溝が細くて深いために、大人と違ってとてもむし歯になりやすいです。

 

そのためこの部分のむし歯予防するためにこの溝に接着材を流し込むシーラントという処置を行うと有効です。

むし歯予防をかかりつけの歯科医院と一緒に

定期健診
定期健診

このように様々な観点から科学的にむし歯予防を検証することによって、大切なお子様をむし歯から守ることができます。

しかしこれらを実践していくには、まず「歯みがきさえしていればむし歯は防げる!」と言ったお父さん・お母さんの偏ったお考えによって大切なお子様がむし歯に犯されてしまうことは防ぎましょう。

そしてむし歯予防を科学的に取り組んでいる歯科医院をかかりつけに持っていただき、そこで継続的な管理を受けていただくことが何より必要なことです。



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