歯が抜けたまま放置していると隣の歯が倒れて咬み合う歯が浮いてしまい、結果的に歯並びがガタガタになってしまいます。その結果、見た目が悪くなるだけでなく、食べカスがつまりやすくなり虫歯や歯周病にかかりやすくなってしまいます。
特に奥歯を失ってしまうと、上下の咬み合わせの安定が失われ下顎の位置が変わってしまい、全ての咬み合わせが悪くなる結果、他の前歯に負担がかかり過ぎて前歯の寿命が縮まったり、顎関節症になってしまうばかりか、身体全体の歪みを生じ肩こり・頭痛・膝痛などを引き起こす可能性があります。
それらを防ぐためにはしっかり咬み合わせられるものを新たに入れる必要がありますが、力のかかる場所であればある程、入れ歯などの他の治療法と比較してインプラントの効果は非常に高いです。
失われた歯を取り戻すには、入れ歯・ブリッジ・インプラントの治療法があります。インプラントは保険外治療になりますが、入れ歯やブリッジには各々保険治療と保険外治療があります。
これらの治療法は、患者様の経済的なご負担だけでなく、審美的欲求や食事に対する欲求、さらに患者様の年齢・全身状態・必要な部位・咬み合わせの状態・周囲の歯の状態など総合的に見極めて、インプラントにこだわることなく、中立的な目線で治療法の候補をなるべく多く提示するようにしています。
インプラント手術や術後経過について、都合のよい話だけを並べず、ごく一般的に起こり得るインプラント治療に関する不快事項、痛みや腫れなどについて包み隠さず説明しております。
同じ1本のインプラントでも、十分インプラントを植えるだけの骨がある場合と不足した骨を補う手術が必要な場合で費用が変わります。
また、審美的な要求の少ない奥歯と審美的な仕上がりが求められる前歯とでも、インプラント治療の費用は異なります。
当院ではホームページや院内に掲示してある料金表に基づいて、明確にインプラント治療にかかる費用を提示しております。
当院ではインプラント手術時にかかる患者様のストレスを大幅に緩和させるため、ご希望の方には鎮静法を実施しております。この鎮静法については特に追加の料金をいただいておりませんが、術後の当日は自動車などの運転ができないなど、何点か注意事項がございますのでそれも合わせて説明いたします。
インプラントを植えるのに十分な骨がある場合は非常にシンプルな術式なので説明もごくわずがで済みますが、骨を増やす手術が必要な場合、やや複雑な術式になるため追加の説明をしております。
当院では骨を増やす手術を行うに際して、極力術後の回復を早くさせ骨が馴染む期間を短縮させるために、手術当日、事前に血液を採取してその中から骨の再生を促す成分を抽出・濃縮して得られるPRGFを併用した方法をご説明いたします。
実際使用するインプラントの選択や埋入方向の決定などを行うために、必ずCTを手術日より前に撮影いたします。骨増生が必要か否かの最終確認もこのCTで行います。当院では院内にCTが設置されていますので、わざわざ他の医療機関に撮影に出向いていただかなくても大丈夫です。
インプラント手術の際に骨増生手術を同時に行う場合、ご自身の血液を採血し組織再生力のある成分を濃縮・抽出するPRGF療法を行うために、術前の約2時間前に採血を行います。
当院ではインプラント手術に不安を感じられる方に対して鎮静法を行っておりますが、手術直前に鎮静剤の注射を行います。鎮静法を行う場合、血圧などのモニタリングが必須につき、このモニタリングも開始いたします。
十二分に局所麻酔を効かせた後に、インプラント手術を行います。手術エリアの消毒や感染防御などで少しお時間を頂戴いたしますので、実際に口腔内で処置している時間は1本のインプラントを埋入し、特に骨増生する必要のない場合、30分程度で終了します。ただし骨増生が必要な場合、多数歯の手術を同時に行う場合、ここからさらに30分~1時間程度の手術時間を要します。
インプラント手術後の注意事項を説明いたします。また鎮静法を行った場合は意識がしっかり覚醒するまで院内で休憩していただきます。
特に骨増生を行った場合、どうしても腫れが大きくなるためより一層丁寧な説明を行っております。
術後2カ月~6カ月程度、インプラントと顎の骨とがしっかり結合するのに時間を要します。その結合をレントゲン検査などで確認致します。
骨の状態や咬み合わせの状態などによって、インプラント体を完全に歯肉に埋めてしまう方法と、歯肉を通して口腔内にインプラント体を露出させる方法を使い分けております。
インプラント体を完全に歯肉に埋めてしまう方法を選択した場合、インプラントと骨の結合が確認できたら歯肉を切開して、インプラント体を口腔内に露出させる処置が必要になります。
この処置は極めて軽い内容なので、術後の不快事項はほとんどございません。
骨に埋めるインプラント体と歯肉より露出して被せ物の支えになるアバットメントが一体型のものと分かれているものがあります。アバットメントが分かれているタイプの場合、インプラント二次手術に合わせて新たにアバットメントを連結する作業を行います。
被せ物の歯型を採ります。使用したインプラントのタイプによって一回の型採りで済む場合と二回型採りが必要な場合があります。
最終的な被せ物をインプラントに装着してはじめてしっかり咬めるようになります。
主にジルコニアと呼ばれる素材を使います。
インプラントの咬み合わせやスクリューの緩みなどのチェックは長期間、インプラントを安定させていくには欠かせない事項です。当院では定められたチェック・ケアにお越しいただいた場合、インプラントのトラブルについては10年間、被せ物のトラブルについては5年間の保証を行っております。
天然歯と異なりインプラントは構造上、どうしても根元が細くくびれた形になり、インプラントと歯の間、インプラントと歯肉の間のブラッシングが不足になりがちになります。
そのため歯科医院でのブラッシングチェックとクリーニングは定期的に欠かせません。